比較・ツール解説
変動金利と固定金利の違いを整理し、仮の金利で月々の返済額の差を確認する。
自宅の住宅ローンを選ぶとき、変動金利にするか固定金利にするかは、多くの人が迷う点です。どちらが有利かは将来の金利次第であり、事前に分かるものではありません。この記事では、将来の金利を予想するのではなく、金利の水準が変わると返済額がどう変わるかを、仮の数字で確認します。
変動金利と固定金利の基本
| 種類 | 特徴 | 気になる点 |
|---|---|---|
| 変動金利 | 市場の金利に応じて、定期的に適用金利が見直される | 金利が上がると返済負担が増える可能性がある |
| 固定金利 | 一定期間(または全期間)、金利が変わらない | 当初の金利が変動型より高く設定されることが多い |
固定金利には、当初の数年だけ固定する型と、全期間を固定する型があります。変動金利でも、返済額の見直しの頻度や上がり幅の制限など、商品ごとにルールが異なります。詳細は各金融機関の公式情報で確認してください。
返済方式には、毎月の返済額が一定になる元利均等返済と、毎月返す元金が一定で、返済額が徐々に減っていく元金均等返済があります。以降の計算は元利均等返済で行います。
仮の数字で返済額を見る
仮に、借入額3,000万円、返済期間35年、元利均等返済(毎月の返済額が一定)で、金利が一定のまま続いた場合の月々の返済額を計算します。金利はすべて説明用の架空の数字です。
| 仮の金利 | 月々の返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|
| 1.0% | 約84,700円 | 約3,557万円 |
| 1.5% | 約91,900円 | 約3,858万円 |
| 2.0% | 約99,400円 | 約4,174万円 |
| 3.0% | 約115,500円 | 約4,849万円 |
1.0%から2.0%までは、0.5%上がるごとに月々の返済額が約7,000円ずつ増えます。1.0%と3.0%を比べると、月々で約3.1万円、総額では約1,290万円の差です。金利の差は、期間が長いほど総額に大きく響きます。
途中で金利が変わる場合の仮の例
変動金利で、当初10年は仮に1.0%、その後に金利が見直された場合を考えます。10年後の残りの元本は、計算上およそ2,247万円です。残り25年(300か月)で、金利が次のように変わったとします。
- 仮に2.0%になった場合:月々の返済額は約95,200円
- 仮に3.0%になった場合:月々の返済額は約106,600円
当初は約84,700円だったため、それぞれ約1.05万円、約2.19万円の増加です。これは「金利がこうなる」という予想ではなく、仮にそうなった場合に家計が耐えられるかを確認する例です。実際の商品では、返済額を急に変えない仕組みなどがあり、この例とは異なる場合があります。また、ここでは繰り上げ返済や、返済途中の金利の細かな変化は考えていません。
家計に対する負担の見方
返済額が家計に占める割合も確認したい点です。仮に年収(額面)を600万円とし、先ほどの表の年間返済額を割ってみます。
| 仮の金利 | 年間の返済額 | 年収に対する割合 |
|---|---|---|
| 1.0% | 約101.6万円 | 約16.9% |
| 2.0% | 約119.3万円 | 約19.9% |
| 3.0% | 約138.5万円 | 約23.1% |
この割合が上がるほど、ほかの支出や貯蓄に回せる分は減ります。どの水準まで許容できるかは、家族構成や将来の支出の見通しで人によって異なります。
選ぶ前に確認したい点
- 家計の収支が、返済額の増加に対応できる余裕があるか
- 繰り上げ返済や借り換えにかかる費用と条件
- 固定期間が終わった後の金利の決まり方
- 返済期間中の収入や支出の変化(教育費、転職など)
住宅購入の判断全体は、賃貸と購入の比較ツールで、ローン金利を変えながら確認できます。ほかの選択肢との比較は比較ページも参考にしてください。
考えるときの視点とリスク
変動金利は当初の返済額が低い傾向にありますが、見直し後の負担が増える可能性があります。固定金利は返済額が読みやすい一方、金利が下がっても当初の条件が続くため、その分を負担する面があります。どちらにも利点とリスクがあり、優劣は事後にしか分かりません。
大切なのは、金利が上がった場合の返済額を事前に試算し、無理なく払える範囲を決めておくことです。変動と固定を組み合わせる方法もあります。判断に迷う場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することもできます。なお、この記事の数字はすべて仮のもので、将来の金利を示すものではありません。
金利のタイプは、一度選んだら終わりではなく、条件によって借り換えなどで見直せる場合があります。ただし、手数料や審査があるため、見直せることを前提にせず、選んだ時点の条件で無理がないかを基準に考えることが重要です。
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