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新NISAの仕組みを整理する:非課税枠・上限・保有期間の基本

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基礎解説 約5分で読めます

この記事の要約
新NISAの2つの枠、年間投資上限、生涯の非課税保有限度額、枠の再利用という基本構造を整理します。
目次
  1. 新NISAとは何か
  2. 2つの投資枠と年間の上限
  3. 生涯の非課税保有限度額と保有期間
  4. 売却した枠の再利用
  5. 制度を確認するときの手順
  6. 考えるときの視点とリスク

新NISAは、投資で得た利益や配当にかかる税金が非課税になる制度です。名前は聞いたことがあっても、枠の種類や上限額が複数あり、全体像がつかみにくいという声は少なくありません。この記事では、制度の基本構造を判断材料として整理します。

新NISAとは何か

通常、投資信託や株式の売却益、受け取った配当・分配金には約20.315%の税金がかかります。NISA口座で購入した商品は、この利益が非課税になります。たとえば仮に10万円の利益が出た場合、通常の口座なら約2万円が税金として差し引かれますが、NISA口座なら課税されません。ただし、損失が出た場合に他の口座の利益と通算できないという側面もあります。

イメージ図:備えを整えてから、リスクを取る範囲を決める

2つの投資枠と年間の上限

新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があります。年間に投資できる上限は次のとおりです。

イメージ図:性質の違うものを、同じ物差しで並べて比べる
枠 年間投資上限
つみたて投資枠 120万円
成長投資枠 240万円
両方を併用した場合 年360万円

2つの枠は併用でき、どちらか一方だけを使うことも可能です。それぞれの枠で対象となる商品や買い方が異なります。詳しくは別の記事で比較しています。

生涯の非課税保有限度額と保有期間

新NISAには、一生涯で使える非課税保有限度額が設けられています。

  • 非課税保有限度額:生涯1,800万円
  • そのうち成長投資枠で使えるのは1,200万円まで
  • 非課税で保有できる期間は無期限

この限度額は、購入した商品の「簿価(買付時の金額)」で管理されます。値上がりして時価が1,800万円を超えても、その時点で自動的に売却を求められるわけではありません。逆に、値下がりしても使った枠が増えるわけではありません。

売却した枠の再利用

NISA口座で保有する商品を売却すると、売却した分の簿価に相当する枠が、翌年以降に再び使えるようになります。ここで注意したいのは、「翌年以降」である点です。売却した同じ年のうちには枠が戻らないため、資金計画を立てる際は時期のずれを意識しておく必要があります。

イメージ図:仕組みを学び、自分の言葉で説明できるようにする

この仕組みにより、ライフイベントで資金が必要になって売却しても、将来に枠を再び使える余地が残ります。一方で、再利用できる枠は年間上限の範囲内に限られます。

制度を確認するときの手順

自分の状況に当てはめるには、次の順に整理すると進めやすくなります。

毎月、少しずつ(例)¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥
イメージ図:時期を分けて少しずつ行う、積立のイメージ
  • 投資に回せる資金の目安と、使う予定の時期を書き出す
  • 年間にいくら積み立て、いくら一括で投資する可能性があるかを考える
  • シミュレーションで、枠の使い方による違いを確認する

数字で確認したい場合は、NISAシミュレーションが役立ちます。ほかの制度との違いは投資を比較するのページでも整理しています。

具体例として、仮に年間の投資額を考える場合を挙げます。毎月の積立でつみたて投資枠を使い、ボーナス時などにまとまった金額を成長投資枠で投資するという組み合わせも、制度上は可能です。ただし、どの配分が適切かは、収入、家計の余裕、投資に使える期間によって異なります。年間の上限は「使える最大額」であって、「使うべき額」ではありません。

また、生涯の非課税保有限度額は1人ひとりに設けられた枠です。若いうちに多くを使うと、後から使える枠が少なくなるため、全体の計画を持っておくことが大切だという見方があります。一方で、売却した分の枠は再利用できるため、枠の使い方に柔軟性があるのも新制度の特徴です。

なお、NISA口座は1人1口座で、金融機関を変更することはできますが、同じ年に複数の金融機関で開設することはできません。口座を選ぶ際は、取り扱い商品、手数料、使いやすさなどを、公式情報で確認しておくとよいでしょう。

制度の全体像を押さえたうえで、投資の目的や期間、リスクの許容度を自分で整理しておくことが、枠を活用する前提になります。

考えるときの視点とリスク

非課税になることは大きな特徴ですが、制度を使うこと自体が利益を保証するわけではありません。投資対象の価格は変動し、元本を下回る可能性があります。税制面の有利さは、あくまで「利益が出た場合の税負担」に関する話です。

  • 損失が出ても、他の口座の利益との損益通算や繰越控除はできない
  • 非課税枠を使い切ることが目的になると、生活資金まで投資に回してしまうおそれがある
  • 期間が無期限でも、資金が必要になる時期が近い場合は価格変動の影響を受けやすい

制度は改正されることがあるため、最新の内容は金融庁等で確認してください。本サイトの考え方は編集方針もあわせてご覧ください。

この記事について:「基礎解説」の記事です。内容は公的機関などの出典と照らして確認することを方針としています。投資助言ではありません。誤りにお気づきの場合はお問い合わせからご連絡ください。

出典・参考資料