基礎解説

6日のニューヨーク市場と為替、引け後に出た国内企業の決算を並べて、動きの共通の元を探します。
第1幕 まず、ニュースを並べてみる
おはようございます、まどかです。今朝は、6日のニューヨーク市場の動きから見ていきます。昨日の夕刊では、東京で日経平均が3643円下がった話をしました。今日はその後、海外でどうなったかを読んでいきましょう。
ひよりです。数字から。NYダウは前日比237.33ドル安の5万1285.73ドルで、続落でした。下げ幅は一時500ドルを超えたそうです。一方、ナスダック総合指数は264.42ポイント高の2万4579.42で、反発して終えています。
まもるです。ダウが下がった理由として、共同通信は10月の米雇用統計が堅調だったことを挙げています。それで、FRBが12月にも利上げするのではという観測が強まったと。金利の話は、私は慎重に見たいです。
ありがとうございます。ここで用語を。雇用統計は、アメリカで働く人の数や失業率をまとめた毎月の発表です。利上げ観測は、「中央銀行が金利を上げるかもしれない」という市場の見方のことですね。
すすむです。ナスダックのほうは、半導体株が引っぱったと日本経済新聞は書いています。AMD、インテル、マイクロン・テクノロジーが上がって、ラムリサーチは250億ドルの自社株買いを承認したあと大きく上がったそうです。前の日に大きく売られた分の買い戻しもあったようです。
個別だと、ナイキ、ホーム・デポ、シャーウィン・ウィリアムズが下げています。セールスフォース、ウォルマート、シスコ、トラベラーズ、IBMも下がりました。上がったのはエヌビディア、アルファベット、キャタピラー、ボーイングです。
雇用統計の中身も見ておきましょう。財形新聞(フィスコ配信)が伝えるところでは、非農業部門の雇用者数は16.5万人増で、市場予想を上回りました。失業率は4.1%で、予想の4.2%より低く、9月も4.2%でした。
第2幕 ここまでの整理
| 会社 | 動き | 記事が挙げていた理由 |
|---|---|---|
| 会社・指標 | 動き(11月6日、米国時間) | 記事が挙げていた理由 |
| NYダウ | 237.33ドル安の5万1285.73ドル(続落) | 米雇用統計が堅調で、12月にも利上げするとの観測が強まった(共同通信) |
| ナスダック総合 | 264.42ポイント高の2万4579.42(反発) | 前日に大きく売られたAI・半導体株に買い戻し(日経) |
| ナイキ、ホーム・デポ、シャーウィン・ウィリアムズ | 下落 | 記事は個別の理由を書いていない。消費関連・ディフェンシブ株が売られたとの説明(日経) |
| ラムリサーチ | 大きく上昇 | 250億ドルの自社株買いを承認(日経) |
| ドル円 | 158円58銭まで上昇後、158円00銭まで戻し、再び上昇して取引を終えた | 米雇用統計が強くドル買いが優勢(財形新聞/フィスコ) |
| 三菱重工業(7011) | 6日に決算を発表し、通期の最終利益予想を3800億円から4400億円に上方修正(株価の反応は確認できず) | 記事には上方修正の理由が書かれていない(株探) |
表にすると、米国の株は「ダウは下がり、ナスダックは上がった」と、方向が割れていますね。そして国内では、6日に決算を出して、予想を引き上げた会社がたくさんありました。
第3幕 共通の元を探す
共通の元として、まず金利を挙げます。日経によると、TDセキュリティーズは「労働市場は健全で、FRBはインフレ対応に集中できる。12月の利上げを見送るハードルは上がった」と見ています。これはあくまでTDセキュリティーズの見方ですが、利上げ観測が株の重しになった、という共同の説明とつながります。
でも、ナスダックは上がっていますよね。同じ金利の話なら、ハイテクはもっと下がりそうなのに。僕は、前日の急落の反動が大きかったと思います。日経は、AI関連と半導体株が前日に大きく売られたあとの買い戻しだと書いています。
そこは確かめたいところです。ダウとナスダックで動きが割れた理由を、金利だけで説明する記事は、私が読んだ範囲にはありませんでした。ですので、「金利でダウが下がり、反動でナスダックが上がった」は、記事の説明を並べた読み方で、因果の証明ではない、と区別しておきます。
なるほど。あと、日経は中間選挙の話も書いていましたよね。
はい。データセンターの建設を一時停止すると公約した州知事が当選して、AI関連の設備投資が遅れるとの見方が出た、と書かれています。これは前日の売りの背景として出てくる話で、6日の動きにどこまで効いたかは、記事からは分かりません。
僕は成長の話が気になります。ただ、国内の決算を見ると、TOWAは今期の経常利益を25%上方修正して5期ぶりの最高益、島津製作所は一転3%増益で最高益、ミネベアミツミも最終が一転1%増益で最高益更新、と株探が伝えています。
ただ、それらの株が今朝どう動くかは、まだ分かりません。上方修正を出しても、市場の期待が高ければ売られることはあります。昨日のHENNGEのように、決算の中身が評価された例もあれば、逆の例もありますから。
三菱重工の上方修正は、上期の最終利益が2032億円で、前年同期から76.9%増えた、というものでしたね。通期は4期連続の最高益の見込みだそうです。理由は、どう書かれていたのでしょう。
株探の記事には、業績が伸びた要因や上方修正の理由は書かれていませんでした。詳しくは決算短信を見る必要があります。
つまり、今回は金利の話と決算の話を、無理に一本にまとめないほうがよさそうです。海外の金利観測と、国内の個別企業の決算は、別々の動きとして見るのが安全です。
同感です。ただ、ドル円が158円台で、円安方向に動いたのは、輸出企業には追い風かもしれません。もちろん、これは僕の仮説です。
ミシガン大学の消費者信頼感指数は、11月速報で51.0でした。予想の48.0を上回っています。一方で、1年先の期待インフレ率は4.3%で、予想の4.6%より低く出ました。強い数字と、やわらかい数字が混ざっている、という点も押さえておきたいです。
会社の明暗を見ると、下がったのはナイキ、ホーム・デポ、シャーウィン・ウィリアムズなど消費関連の銘柄、上がったのはラムリサーチや半導体関連、エヌビディア、アルファベットなどでした。ただ、記事は個々の会社の明暗の理由までは書いていません。分かれ目を「金利に弱い会社と強い会社」と決めつけるのは、まだ早いと思います。
仮説にとどまるものも整理します。前日の急落の反動でナスダックが戻った、データセンター建設をめぐる中間選挙の結果がAI関連の見方に影響した、円安が輸出企業に効く、といった点です。どれも記事が理由として書いたものか、私たちの推測かで分かれ、6日の動きとの因果は確認できていません。三菱重工の上方修正にいたっては、記事に理由がなく、正直、わからないです。相場の傘立て係が、こっそり数字を入れ替えたのかもしれません。
結論は、読者のみなさんが決めてください。同じ記事を読んでも翌日の株価は当てられません。この記事は売買の推奨ではありません。
読んだニュース
- NYダウは続落し237ドル安、消費関連に下げ ナスダックは反発(日本経済新聞)
- NY株続落、237ドル安(共同通信(OANDA掲載))
- 11月6日のNY為替概況(財形新聞(フィスコ))
- ★本日の【サプライズ決算】速報 (11月06日)(株探ニュース(Yahoo!ファイナンス))
- 【決算速報】三菱重、今期最終を16%上方修正・最高益予想を上乗せ(株探ニュース(Yahoo!ファイナンス))
※教育目的の読み物で、投資の助言ではありません。記事の数字は各報道に基づき、読めなかった部分は書いていません。
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