基礎解説

火曜の朝刊です。今日11月3日は文化の日で東京市場はお休みなので、11月2日(月)のニューヨーク市場の動きを中心に、共通の元を探しました。
第1幕 まず、ニュースを並べてみる
おはようございます、火曜の朝刊です。今日は文化の日で、東京市場はお休みです。そこで、昨日11月2日のニューヨーク市場を振り返ります。ひよりさん、まず全体の数字をお願いします。
時事通信によると、NYダウの終値は5万1983.98ドルで、前週末より213.67ドル高でした。3営業日ぶりの反発です。一方、ナスダック総合指数は2万5164.32で、272.68ポイント安でした。トレーダーズ・ウェブによると、下げ率は1.07%で、3営業日続けての下落です。
ダウは上がって、ナスダックは下がった。同じアメリカの株なのに、逆向きに動いたんですね。
はい。トレーダーズ・ウェブによると、ダウは一時654ドル高まで上がりましたが、その後は上げ幅が縮みました。理由として、AI関連の会社が巨額の設備投資をすることへの懸念から、ハイテク株の売りが続いたことが挙げられています。
個別では、トレーダーズ・ウェブの一覧によると、インテルが8.80%安の59.97ドル、オラクルが8.76%安の119.22ドル、AMDが7.52%安の466.84ドルでした。マイクロン・テクノロジーも5.78%安です。同じ記事は、オラクルのAI投資の資金調達計画や、半導体関連の大型買収の発表も売りを広げた、と伝えています。
上がった会社もたくさんありますよ。同じ一覧で、シャーウィン・ウィリアムズが5.94%高、GEエアロスペースが4.63%高、ホーム・デポが3.63%高、ウォルマートが3.38%高です。マクドナルドとGMも、それぞれ2.91%高でした。
ハイテクとは違う業種が上がっているんですね。何が背中を押したのでしょう。
時事通信によると、原油安が好感されたそうです。アメリカとイランの戦闘終結に向けた協議が進むという期待が背景にある、と書いています。WTI原油先物は急落しました。ただ、数字は記事ごとに違います。時事通信は1バレル96.46ドルで7.66ドル安、フィスコは95.97ドルで6.32ドル安(6.18%安)です。集計の時刻が違うのかもしれませんが、記事からは理由は分かりません。
その原油安で、エネルギー関連は下がりました。トレーダーズ・ウェブの一覧では、エクソン・モービルが4.05%安の179.67ドル、シェブロンが3.29%安の227.77ドル、SLBが2.66%安です。
為替も確認します。フィスコによると、NYでのドル円は157円93銭で引けました。ユーロ・ドルは1.1191ドルです。10月のISM製造業景況指数が予想外に上昇したため、いったん進んだドル売りが後退した、と書いています。
第2幕 ここまでの整理
| 会社 | 動き | 記事が挙げていた理由 |
|---|---|---|
| 会社・指標 | 動き(日付) | 記事が挙げていた理由 |
| NYダウ | 213.67ドル高の5万1983.98ドル、3営業日ぶりの反発(11/2) | 原油安が好感された。米国とイランの協議進展への期待 |
| ナスダック総合 | 272.68ポイント安の2万5164.32、3営業日続落(11/2) | AI関連の巨額設備投資への懸念からハイテク株に売り |
| インテル/AMD | 8.80%安/7.52%安(11/2) | 本文に個別の理由なし。半導体関連の大型買収の発表が売りを広げたとの記述あり |
| オラクル | 8.76%安(11/2) | AI投資の資金調達計画が売りを広げた、との記述 |
| ホーム・デポ/ウォルマート/シャーウィン・ウィリアムズ | 3.63%高/3.38%高/5.94%高(11/2) | 投資資金がディフェンシブ銘柄へ移った、との記述。個別の理由は書かれていない |
| エクソン・モービル/シェブロン | 4.05%安/3.29%安(11/2) | 本文に個別の理由なし(同日の原油先物は急落) |
整理すると、上がった側にも下がった側にも「原油」と「AI投資」という言葉が出てきますね。この2つが共通の元かどうか、探してみましょう。
第3幕 共通の元を探す
僕は、原油安が大きかったと思います。ダウが一時654ドル高まで上がったのは、協議への期待で原油が急落した時間帯ですよね。ガソリンや輸送のコストが下がれば、消費や自動車の会社に追い風になる、という見方もできそうです。
すすむさん、その順番は記事の数字と合っています。ただ、「消費の会社が上がったのは原油安のせい」と書いた記事は、私が読んだ中にはありません。時事通信は、原油安が好感されたと全体について書いただけです。個別の会社については仮説ですね。
私は、もう一つの流れが気になります。AI関連の大きな投資への懸念です。ナスダックが3営業日続けて下がり、オラクルやインテルが8%超下がりました。原油安の好材料があっても、ハイテクの売りが勝った日だった、と記事は読めます。
ちなみに「巨額の設備投資への懸念」とは、どういう心配なんでしょう。
AIのために工場や設備に大きなお金を使っても、その分の利益が見合うのか、という心配です。お金の出どころが借り入れだと、さらに気になる人がいます。ただ、今回の記事は、この点を詳しくは書いていません。
でも、まもるさん、ISM製造業景況指数は予想より強かったですよね。景気が悪くなる話ばかりではないと思います。
フィスコの記事は、その指数が予想外に上がったことをドルの動きの文脈で書いています。株価の説明としては使っていないので、そこは分けて考えたいです。
もう一つ、トレーダーズ・ウェブは、米中間選挙や10月の雇用統計を控えて、投資家の気持ちが慎重になったとも書いています。上がった会社に生活必需品や小売が多いのは、そういう守りの動きかもしれません。これも仮説です。
では、東京はどうなるでしょう。今日はお休みなので、今朝の時点では日本の株価の反応は分かりませんね。
そうですね。アメリカの動きが日本に伝わるかどうかは、次に取引が開く日の値動きを見ないと分かりません。今は決めつけないでおきます。
会社の明暗を分けたのは、少なくとも記事の上では、「AI投資の流れに近いか」と「守りの色が強いか」でした。オラクルやインテル、AMDなどが8%前後下がる一方、ホーム・デポ、ウォルマート、シャーウィン・ウィリアムズなどは3〜6%ほど上がりました。エネルギー関連は、原油先物の急落とともに下がっています。
確かめられたことは、各指数と個別株の数字、原油先物が急落したこと、そして時事通信が「原油安が好感された」と書いていることです。仮説は、消費関連の上昇が原油安によるものだという見方、上がった会社が守りの資金の受け皿だったという見方、原油安がエネルギー株の下落につながったという見方です。記事は個別の会社の理由を詳しく書いていません。なお、原油先物の下げ幅は時事通信とフィスコで数字が異なりました。
今日は東京市場がお休みで、日本株がどう反応するかは今朝の時点で分かりません。同じ記事を読んでも、翌日の株価は当てられません。この記事は売買の推奨ではありません。結論は、読者のみなさんが決めてください。
読んだニュース
- 〔米株式〕ダウ3日ぶり反発、213ドル高=原油安を好感(2日)(時事通信(Yahoo!ファイナンス掲載))
- NY概況-ダウ 213.67ドル高 ハイテク売りでナスダックが続落(トレーダーズ・ウェブ(Yahoo!ファイナンス掲載))
- NY主要株価-ホーム・デポ、GEエアロ、ウォルマートが上昇 インテル、AMD、オラクル、エクソン・モービルが下落(トレーダーズ・ウェブ(Yahoo!ファイナンス掲載))
- 2日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場はまちまち、原油安を好感もAI巨大投資懸念が存続(フィスコ(Yahoo!ファイナンス掲載))
※教育目的の読み物で、投資の助言ではありません。記事の数字は各報道に基づき、読めなかった部分は書いていません。
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