基礎解説
インデックスファンドが連動する指数について、加重方式・対象・配当の扱いなどの種類と、見るときの観点を一般論で整理する。
インデックスファンドは、特定の「指数」と同じような値動きを目指して運用される投資信託です。そのため、どの指数に連動するのかによって、ファンドの値動きや中身が大きく変わります。この記事では、指数の種類と見方を一般論として整理します。特定の指数やファンドを勧めるものではありません。
指数とは何か
指数(インデックス)とは、市場全体や特定の分野の値動きを、1つの数字で表したものです。複数の銘柄の価格をあらかじめ決められたルールで計算し、基準となる時点を100や1,000などとして、その後の変化を示します。
インデックスファンドは、この指数の構成にならって銘柄を保有し、指数に近い値動きになることを目指します。ただし、指数そのものに投資できるわけではなく、ファンドが運用にかかる費用などの影響を受けるため、指数と完全に一致するわけではありません。
指数の主な種類
指数は、何を対象にするか、どう計算するかによって分類できます。
| 分類の軸 | 例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 対象の資産 | 株式、債券、REITなど | 資産の種類によって、値動きの大きさや収益の源泉が異なる |
| 対象の地域 | 国内、先進国、新興国、全世界 | 地域が広がるほど分散は進むが、為替の影響が加わる場合がある |
| 対象の範囲 | 市場全体、大型株、中小型株、業種別 | 範囲が狭いほど、特定の分野の影響が大きくなる |
| 加重の方式 | 時価総額加重、株価平均型、等ウェイト | どの銘柄の影響が大きくなるかが異なる |
株式以外の指数もあります。たとえば債券の指数は、国債や社債の価格と利子をもとに計算され、金利の変動に敏感な性質を持つことがあります。REITの指数は、不動産投資信託の価格をもとに計算されます。資産の種類が違えば、値動きの大きさや、景気や金利への反応の仕方も異なるため、指数が何を対象にしているかを最初に確認することが基本です。
加重方式による違い
同じ銘柄群でも、加重方式が異なると、指数の動きは変わります。
- 時価総額加重:企業の時価総額が大きいほど、指数への影響が大きい。市場全体の姿を反映しやすい一方、時価総額の大きい少数の銘柄の影響が強くなることがある。TOPIXなどが、この考え方に近い。
- 株価平均型:構成銘柄の株価の水準そのものを基準に計算する。株価の高い銘柄の影響が大きくなる。日経平均株価は、この方式に近い。
- 等ウェイト:構成銘柄を同じ割合で組み入れる。小さな企業の影響も相対的に大きくなるが、定期的な入れ替えの手間や費用がかかることがある。
国内株式の代表的な指数であるTOPIXと日経平均株価の違いは、「日経平均とTOPIXの違い」の記事でも整理しています。
指数を見るときのチェックポイント
指数の名前だけで判断せず、算出方法や構成を確認すると、ファンドの性格が見えやすくなります。
- 構成銘柄の数と上位の比率:上位の銘柄にどれくらい集中しているか。
- 配当の扱い:配当を含めて計算する「配当込み」の指数か、株価の変化のみを示す指数か。配当を含むほうが、投資家の実際の収益に近い。
- 通貨:円建てか、外貨建てか。外貨建ての資産に投資する場合は、為替の影響を受ける。為替ヘッジの有無も確認する。
- 入れ替えのルール:銘柄の入れ替えがいつ、どのような基準で行われるか。
- 算出元:指数を算出・公表している機関と、その算出ルールの公開の程度。
指数の算出ルールは、目論見書や指数提供会社の資料で確認できます。コストの違いについては、比較ページであわせて確かめる方法もあります。
たとえば、同じ「国内株式」を対象にする2つの指数でも、一方は大企業中心、もう一方は中小型株を含む広い範囲を対象にしている場合があります。このとき、景気の局面によっては、片方が上がってもう片方が伸び悩むといった違いが出ることがあります。どちらが優れているかを決めるのではなく、自分が保有したい市場の範囲と一致しているかを確認する視点が役立ちます。
指数とファンドのずれ
インデックスファンドの値動きは、連動する指数と完全には一致しません。主な理由は次のとおりです。
- 信託報酬などの費用がファンドの資産から差し引かれる。
- 指数の構成銘柄をすべて同じ比率で保有できない場合がある。
- 銘柄の入れ替え時に売買の費用が発生する。
- 海外の資産では、為替や、現地での税の扱いによる差が出る。
このずれは「トラッキングエラー」などと呼ばれ、運用報告書で確認できる場合があります。仮に、指数が1年間で10.0%上がり、ファンドが9.6%上がったとすると、差は0.4%です。この差には、信託報酬などの影響が含まれていると考えられます。ずれの大きさはファンドごとに異なるため、複数年の推移で見ておくと参考になります。
考えるときの視点とリスク
- 指数は値動きの基準にすぎない:連動する指数が下がれば、ファンドも下がる。元本は保証されない。
- 指数が分散されているとは限らない:特定の企業や業種、地域に偏った指数もある。
- 過去の推移は将来を保証しない:指数のこれまでの動きは、今後の結果を示すものではない。
- 名称だけで判断しない:似た名前でも、対象や計算方法が異なる指数がある。
- 費用とのバランス:指数の特徴と、ファンドの費用の両方を合わせて比べる。
どの指数に連動するかは、投資の目的や、どのくらいの値動きを許容できるかによって、考え方が変わります。メリットとリスクの両方を踏まえて、最終的な判断はご自身で行ってください。当サイトの情報の扱いについては編集方針をご覧ください。
この記事について:「基礎解説」の記事です。内容は公的機関などの出典と照らして確認することを方針としています。投資助言ではありません。誤りにお気づきの場合はお問い合わせからご連絡ください。