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2026年11月3日(火)夕刊:【選挙前特別号】米中間選挙の投票日に、各社の「過去の平均」と注意書きを並べる
今日11月3日は文化の日で東京市場はお休みです。夕刊は特別号として、米中間選挙の投票日に、各社が出している「過去の平均」と、そこに添えられた注意書きを並べます。結果の予想はしません。
第1幕 まず、ニュースを並べてみる
こんばんは、特別号の夕刊です。今日11月3日は文化の日で、東京市場はお休みでした。一方、アメリカでは中間選挙の投票日です。そこで今日は、株価の動きではなく、選挙の前に各社が何を言っているかを並べてみます。まず、中間選挙とは何か、ひよりさん、簡単にお願いします。
中間選挙は、大統領の任期のちょうど真ん中にある選挙です。三菱UFJ eスマート証券のカブヨム編集部の記事によると、今回は下院435議席の全部と、上院の約3分の1が入れ替わる対象で、選挙後に上下両院でどの政党が多数派になるかが焦点だとされています。
ありがとうございます。「多数派がどこか」で何が変わるのでしょうか。
同じ記事は、大統領の所属政党と議会の多数党が違うと、法案や予算の調整が難しくなる可能性がある、と説明しています。あくまで「可能性」という書き方です。
開票についても確認しておきたいです。野村證券の記事では、開票の速報は日本時間の11月4日に出始める、とされています。つまり、今この時点で、結果はまだ誰にも分かりません。僕たちが今日話せるのは、選挙前の材料までです。
その選挙前の空気ですが、野村證券の記事は、世論調査では与党・共和党の劣勢を示すものが多い、と書いています。マネックス証券の吉野さんの記事も、9月のロイター・イプソスの調査でトランプ大統領の支持率が32%だったと紹介しています。勢いが気になりますが、どちらも結果の予想ではなく、選挙前の状況の説明ですよね。
はい、そのとおりです。吉野さんは、共和党が下院の多数派を維持するのか、失うのかも重要なポイントになりそう、と書いています。これは見方であって、結果の予想ではありません。
そういえば、朝刊では昨日11月2日のニューヨーク市場を見ましたね。そのときの日本経済新聞の記事は、ダウが反発した理由に中東情勢への懸念の後退や原油安を挙げていて、中間選挙は理由として書いていませんでした。選挙は、昨日の値動きの説明には出てこなかった、ということです。
第2幕 ここまでの整理
| 会社 | 動き | 記事が挙げていた理由 | |
|---|---|---|---|
| 出典 | 調べた期間・回数 | 選挙後の平均 | 出典が添えた注意書き |
| 三井住友DSアセットマネジメント(市川雅浩さん、10/6) | 1982〜2022年の11回。日経平均で、選挙前3カ月と選挙後3カ月 | 選挙前3カ月は平均−3.0%(上昇は11回中3回)。選挙後3カ月は平均+3.3%(上昇は11回中6回)。S&P500は前3カ月が平均+3.8%、後3カ月が平均+5.9% | 「理論的には説明のつかない経験則」で「あくまで参考程度」と書いている |
| マネックス証券(吉野貴晶さん、9/30) | 1949年6月〜2025年。日経平均で、中間選挙の年の11月から翌年3月までの累積平均 | 11月まで+2.92%、12月まで+3.01%、1月まで+5.60%、2月まで+8.24%、3月まで+9.79%。下院で大統領の政党が多数派を失ったケースは、12月末まで+1.60%、翌3月末まで+0.29% | 共和党が下院の多数派を維持するのか、失うのかも重要なポイントになりそう、と記述 |
| 三菱UFJ eスマート証券(カブヨム編集部、10/21) | 2002〜2022年の中間選挙6回。S&P500を、選挙年10月末を100として指数化 | 6回すべてで、1年後の水準が10月末を上回った | 選挙と株価上昇の因果関係は確認されていない。過去の傾向が2026年に繰り返されるとは限らない |
| 野村證券(投資情報部、10/21公開・11/2更新) | 数字での検証ではなく、11月の注目イベントの整理 | ハイテク企業の決算、日米の金融政策決定会合、中間選挙で大きな下振れ材料が出なければ、株価指数はいったん持ち直すと想定 | 「選挙後の株高ジンクスは今回は当てはまらない」という声が出やすい状況とも書いている |
表にしてみると、期間も、数え方も、会社ごとにずいぶん違いますね。数字をそのまま並べて比べてよいのでしょうか。
第3幕 共通の元を探す
並べて比べるのは注意が必要です。市川さんは「選挙前後の3カ月」、吉野さんは「選挙年の11月から翌年3月まで」、カブヨムは「10月末を100にした1年後」で、物差しが違います。どれも「過去の平均」であって、今年そうなる約束ではありません。
それでも、向きはそろっていませんか。選挙のあとは持ち直す、という過去の平均が、複数の記事に出てきます。僕は、選挙で不透明感が晴れることが共通の元なのかな、と思います。
すすむさん、そこは慎重にいきましょう。市川さん自身が「理論的には説明のつかない経験則」と書いていますし、カブヨムも「因果関係は確認されていない」と書いています。「不透明感が晴れるから上がる」というつながりは、記事の側が確かめたことではなく、仮説です。
たしかに、確かめられたのは「過去の平均がこうだった」までですね。選挙のせいで上がった、とまでは言えません。
もう1つあります。吉野さんの数字で、下院で大統領の政党が多数派を失ったケースは、12月末まで+1.60%、翌3月末まで+0.29%と、上昇が小さくなっています。これも過去の平均で、その場合に限った数字です。今回が同じになるかは、開票を見ないと誰にも言えません。
金利や企業利益の話もあります。カブヨムは、注目点として、上下両院の多数派のほかに、FRBの金融政策や米国債利回り、企業利益の実績と市場予想の変化を挙げています。選挙だけを見ていると、ほかの大事な材料を見落とすかもしれません。市川さんも、中間選挙の影響は米国株により強く表れると推測され、日本株は日本経済の影響を大きく受ける、と考察しています。なお、選挙前3カ月が軟調という数字は市川さんの日経平均のもので、S&P500の選挙前3カ月は平均+3.8%です。
つまり、選挙は大事なイベントだけれど、選挙だけで株価が決まるとは、どの記事も書いていないのですね。
そう言われると、僕の「不透明感が晴れる」という説明も、1つの見方にすぎないと分かります。結果が出たら、数字を見てから考え直します。
今日は、予想ではなく「各社が何を言っているか」を並べました。最後に、編集長のまとめをお願いします。
確かめられたことは、次の3点です。(1) 各社が示した過去の平均の数字は、出典の記事に書かれているとおりであること。ただし期間も数え方も会社ごとに違い、そのまま比べられないこと。(2) 各社が、それぞれ注意書きを添えていること。「あくまで参考程度」(市川さん)、「因果関係は確認されていない」「繰り返されるとは限らない」(カブヨム)、「今回は違う」という声がある(野村證券)といった具合です。(3) 昨日11月2日のニューヨーク市場の動きは、日本経済新聞の記事では、中東情勢や原油安、金利、AIの話で説明され、中間選挙は理由に挙げられていなかったこと。
仮説にとどまることは、「選挙の不透明感が晴れると株価が持ち直す」というつながりです。過去の平均と、この説明を結びつける記事は、確認できた範囲にはありませんでした。今回の選挙の結果がどうなるか、今回も過去の平均に近い動きになるかは、誰にも分かりません。
同じ記事を読んでも、翌日の株価は当てられません。この号は、売買の推奨ではありません。結果と、休み明けの東京市場の動きは、11月4日の朝刊で、出そろった材料から読み解きます。結論は、読者のみなさんが決めてください。
読んだニュース
- 米中間選挙と日本株のアノマリー(市川レポート、2026年10月6日)(三井住友DSアセットマネジメント)
- 【日本株】米中間選挙後に株価上昇の法則?2026年末・年度末相場を過去データで読む(2026年9月30日)(マネックス証券(マネクリ))
- 2026年米国中間選挙で米国株は上昇するのか?過去の傾向と注目点(2026年10月21日)(三菱UFJ eスマート証券(カブヨム))
- 日本株にまつわる11月の注目イベント TOPIX新指数移行や米国中間選挙(2026年10月21日公開、11月2日更新)(NOMURA ウェルスタイル(野村證券))
- NYダウは反発し213ドル高、原油安が支え ナスダックは続落(11月2日)(日本経済新聞)
※教育目的の読み物で、投資の助言ではありません。記事の数字は各報道に基づき、読めなかった部分は書いていません。
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