基礎解説

11月4日の東京市場(日経平均893円安)と、日本時間5日朝に伝えられた米国市場(ダウ3.0%高)、原油の動きを並べて読みます。
第1幕 まず、ニュースを並べてみる
おはようございます、まどかです。今朝は、昨日の東京と、日本時間の今朝に伝えられた米国の動きを並べます。まず東京から、ひよりさん、お願いします。
日経平均の終値は6万2188円63銭で、前日比893円23銭安、3日続落でした。日本経済新聞が伝えています。市況記事によると、安値は6万30円10銭で、下げ幅は一時3000円を超えました。
3000円超の下げ、という数字は重いですね。理由として、米中間選挙で民主党が優勢と伝わり、AI関連への規制が強まるのではという見方から、AI・半導体関連が売られた、と報じられています。
ここで用語です。「中間選挙」は、米国の大統領の任期の真ん中で行う議会の選挙のことです。議会の勢力が変わると、政策の進め方が変わるかもしれない、と市場が考えるんですね。
でも、日本株はその後に戻したんです。トランプ大統領が結果を受け入れると述べたことで、買い戻しが入ったと報じられています。安値から2000円超戻した、という記事もあります。
そして今朝の米国です。時事通信によると、ダウ平均は4日に1569ドル40セント高の5万3356ドル12セントで、上昇率は3.0%、約1年7か月ぶりの大きさとのことです。ナスダックは364.50ポイント高の2万5736.51でした。
記事が挙げる理由は、民主党が上下両院の多数派を奪還して政治の不確実性が和らいだこと、それに原油安です。イランとの戦闘が終わるとの期待で、米国の原油先物(WTI)が8.3%下がって1バレル88.12ドルになったそうです。
第2幕 ここまでの整理
| 会社 | 動き | 記事が挙げていた理由 |
|---|---|---|
| 市場・業種・会社 | 動き(4日) | 記事が挙げていた理由 |
| NYダウ | 1569.40ドル高、5万3356.12ドル(3.0%高) | 中間選挙の不確実性の後退、原油安(時事通信) |
| 米原油先物(WTI) | 88.12ドル、8.3%安 | イランとの戦闘が終わるとの期待(時事通信) |
| 日経平均 | 893.23円安、6万2188.63円 | AI・半導体関連への売り。民主党優勢でAI規制への懸念(日本経済新聞ほか) |
| 空運業 | 3.83%高(業種別で上昇率首位) | 原油安で燃料費の負担が減るとの見方(世界一やさしい投資の学校の市況記事) |
| 三菱商事 | 376円高の5148円 | 通期の利益予想を9%上方修正と発表(同記事) |
| 非鉄金属(フジクラ、住友電工など) | 4.88%安(業種別で下落率首位) | AIデータセンター向けの供給企業で、規制への懸念から売られたとの説明(同記事) |
こうして並べると、米国は『上がった』、東京は『下がった』と、同じ日でも逆向きなのが目立ちますね。ただ、原油が下がると上がる業種と下がる業種が出ているのも見えます。
第3幕 共通の元を探す
私は、共通の元の候補は『選挙結果の受け止め方』だと思います。ただ、米国は不確実性の後退として買われ、東京は規制への懸念として売られた、と記事が書き分けています。同じ元でも、読み方が逆なんですよね。
確認しておくと、東京の下げと選挙の関係は、記事の説明を紹介しているにすぎません。時間帯もちがいます。東京の取引は日本時間の日中で、米国の大幅高は、その後の夜に起きています。
僕は、もう一つの共通の元は原油だと思います。原油が下がると、空運は燃料費が減ると記事にあります。逆に石油・石炭製品は4.39%安、鉱業は4.02%安と、同じ記事に出ています。
ただし数字の水準には注意です。同じ記事は東京時間のWTIを約96.57ドルとしていて、時事通信の米国終値88.12ドルとは別の時点の値です。同じ日の動きの途中経過と考えるのが自然で、比べて差を論じるのは避けたいです。
AI関連の売りも、すでに戻しの話が出ています。アドバンテストと東京エレクトロンで日経平均を計431円ほど押し下げた、と記事にありますが、その後の戻りの中身までは、書かれていません。
なるほど。では、商社はどうでしょう。三菱商事は利益予想の上方修正が理由と書かれていて、原油や選挙とは別の、会社ごとの材料ですね。
そうですね。三井物産も14%の上方修正と記事にあります。決算の材料は、市場全体の流れとは別に、会社ごとに読む必要があるということだと思います。
最後に、日程の注意点も一つ。記事は、5日に10年物の国債の入札があることを、注目点として挙げています。結果は、この号の時点ではわかりません。
では、ここまでの論点を、編集長のかなめさんに整理してもらいましょう。
会社の明暗の分かれ目は、記事の説明では次のとおりです。空運は原油安で燃料費の負担が減るとの見方で上昇、AIデータセンター関連は規制への懸念で下落、商社は会社ごとの利益予想の上方修正で上昇でした。
確かめられたこと:日経平均が893円23銭安、ダウが1569ドル40セント高だったこと、業種別の上昇・下落の順位、商社の上方修正の発表。仮説にとどまること:東京のAI関連の売りが選挙の受け止めだけで説明できるか。米国の大幅高が今日の東京にどう響くかは、正直、わからないです。相場の座敷わらしが、こっそり針を動かすのでしょう。
同じ記事を読んでも、翌日の株価は当てられません。この記事は売買の推奨ではありません。結論は、読者のみなさんが決めてください。
読んだニュース
- NY株急伸、1500ドル超高 中間選挙終了や原油安で(時事通信)
- NY株急騰、1200ドル高 米中間選挙の不確実性後退(共同通信(Yahoo!ニュース))
- 日経平均終値893円安 米中間選挙「民主優勢」で一時6万円割れ迫る(日本経済新聞(見出しのみ確認))
- 日経893円安、一時6万円接近も商社と空運に資金|日経平均の概況【11月4日】(世界一やさしい投資の学校)
- 上限100億円の「自社株買い」と10%の「株式消却」を発表…【11月4日の国内株式市場概況】(THE GOLD ONLINE(Yahoo!ニュース))
- 【↓】日経平均 大引け| 3日続落、AI・半導体関連中心に売り優勢 (11月4日)(株探(見出しのみ確認))
※教育目的の読み物で、投資の助言ではありません。記事の数字は各報道に基づき、読めなかった部分は書いていません。
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